【No.58】子どもの陰茎包皮が水着のメッシュ生地に入り込み取れない事故!対策方法は?

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手術や事故の様子などショッキングな表現や画像が含まれる場合があります。

海水浴をした後、水着を脱ごうした7歳の男の子の陰茎包皮が裏地のメッシュに入り込んで脱げなくなり、病院へ行く事故が発生しました。
最終的に水着は脱げましたが、同様の事故は以前から発生しており、男の子の水着選びには注意が必要です。

本記事では、事故の原因や未然に防ぐための対策方法を日本小児科学会が公開した情報を元に紹介します。同様の事故が起きないよう、それぞれのご家庭で対策方法を学びましょう。

事故発生の原因

2015年7月11日、男の子(7歳9ヶ月)は海水浴で遊んでいました。午後4時頃、水着を脱ごうとすると裏地のメッシュに包皮が入り込んで取れなくなり、病院へ行きました。

病院の治療・手術

病院にて、水着のメッシュを眼科用の鑷子とハサミで慎重に切りました。
男の子に体には、特に問題はありませんでした。

類似傷害・事故

類似傷害・事故(4歳)

2015年8月15日、男の子(4歳1ヶ月)は海水浴で遊んでいました。午後6時頃、水着を脱ごうとすると裏地のネットに包皮が入り込んで取れなくなり、病院へ行きました。

病院にて、水着のメッシュを眼科用の鑷子とハサミで慎重に切りました。
男の子に体には、特に問題はありませんでした。

類似傷害・事故(8歳)

2015年8月12日から、男の子(8歳11ヶ月)は大人5人、子ども11人で2泊3日と旅行に出かけていました。

8月12日は12時頃から17 時頃まで海で遊んでおり、水着を使用後、包皮の先端が赤くなっていました。男の子は普段から発赤が出やすい傾向があり、保護者が持っていたアズノール軟膏を塗布し、経過をみました。

8月13日は午前 9 時頃から水着を着用し、11時頃から16時頃まで海で遊んでいました。12時頃より陰部の痛みを自覚しますが、確認することなく遊んでいました。16時頃、服に着替えようとして初めて包皮の先が水着のメッシュにはまって赤く腫れ上がり、抜けなくなっていることを確認しました。
引っ張っても抜けないため、はさみで水着を切断しました。糸の一部が残り、包皮の腫れも残っていましたが、友達もいたため男の子が病院へ行くことを恥ずかしがり、また排尿は問題なくできたことからそのままで過ごしました。14日、帰宅してすぐ病院を受診しました。

病院にて、包皮先端を縛っていたメッシュ状の繊維を除去しました。除去後、腫れは徐々に引きはじめ、2日後には普段の状態に戻りました。

予防と対策方法

内側がメッシュ生地の男児用水泳パンツは、製品評価技術基盤機構や国民生活センターから注意喚起されています
業界団体が作成した自主規制的ガイドライン「子供衣類の設計に関する安全対策ガイドライン」には「水着のインナー素材:陰茎部等の皮膚が挟まる事故を防止するため,水着に用いるメッシュ形状素材は用いないこと」と明記されています。
しかし、製品の改善は各メーカー任せになっており、依然として注意喚起が必要な状況です。各メーカーは、子どもの水着にインナーが本当に必要なのか?インナーはメッシュ生地である必要があるのか?メッシュの網目のサイズは正しいのか?などを検証し、製造過程での規制を設ける必要があるでしょう。

同様の事故は、1998年に製品評価技術基盤機構に最初に報告され、2000年以降は国民生活センターに報告されています。
2004年にはとある製品が6件の負傷事故を起こし、出荷された約5万点のうち、約1万点が回収されることもありました。
診察した医師の見解によると「メッシュの穴にはまった皮膚が、外側に水膨れ状態になって、普通に脱がせるのは不可能だった」「いったんはみ出ると静脈が締め付けられ,血管から水分が染み出て水膨れができてしまうのではないか」とコメントしています。

このような状況のため、「内側がメッシュ生地の男児用水泳パンツ」を購入しないようにするしかありません。お子さんの水着を購入する際は、メッシュ生地に包皮が入り込みことを念頭に置いて水着を選ぶようにしましょう。

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出典:公益社団法人日本小児科学会「No.058 男児用水着のメッシュ生地による陰茎包皮の絞扼.pdf

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