【No.54】入院中の2歳の子どもが心電図用の電極シールを誤飲!対策方法は?

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手術や事故の様子などショッキングな表現や画像が含まれる場合があります。

2歳の男の子が病院にて、自分の体に貼られた心電図用の電極シールを誤飲する事故が発生しました。

病院の処置により男の子は無事でしたが、乳幼児が身近なものを口に入れて誤嚥・誤飲する事故は、どのご家庭でも起こる可能性がある事故です。それぞれのご家庭で対策方法を学び、万が一に備える必要があります

本記事では、事故の原因や未然に防ぐための対策方法を日本小児科学会が公開した情報を元に紹介します。

事故発生の原因

男の子(2歳1ヶ月)は、けいれんの既往歴があり入院中でした。
2013年2月20日、男の子は親の付き添いがなくなったため、夜間のみ心電図モニターを装着しました。翌朝6時には、ナース・ステーションでモニターの波形を感知していることを看護師が確認しました。

午前7時、男の子の波形に乱れがあり、看護師が確認に行きました。男の子は心電図用の電極シールをはがし、手に持っていました。3つあるはずの電極シールが2つしかなく、誤飲の可能性が考えられました。

病院の治療・手術

午前9時、報告を受けた医師が腹部エックス線検査により、十二指腸部に電極を確認します。絶食とし、午前11時30分に小児外科のある病院に救急搬送しました。

小児外科での腹部エックス線検査では、電極は大腸に移動しており、浣腸を数回実施しました。午後3時30分、排便とともに排泄されました。男の子に異常はありませんでした。

病院の治療・手術

子どもは生後6ヶ月になると、物をつかむようになり、それを口に入れ、場合によっては飲み込んでしまいます。今回の事故では、それが医療現場で起きました。実際、同じような症例が学会でも報告もされています。

電極の裏面のゼリー状ののりは、水分を吸うと数十倍から100倍以上に膨張するため、胃内で膨化して嘔吐を誘発し、イレウス(腸の中で食べ物や消化液など内容物の流れが止まってしまう状態)を生ずる可能性があります。
現在、誤飲防止用に苦味成分(デナトニウム)を配合したディスポーザブル電極や、のり部分の膨化が少ないタイプの電極が市販されており、年齢に応じてこのような製品の使用されています。

また、もしご家庭で誤飲が起きた場合は、以下の処置を行いましょう。

「あめ玉」などを飲み込んで窒息の可能性がある場合の対処方法
出典:窒息 | こどもの救急
1歳未満の乳児の場合

意識がある場合:「胸部突き上げ法」と「背部叩打法」を数回ずつ交互に行います。
意識がない場合:心肺蘇生(CPR)を行いながら119番通報し、救急車を呼びます。

1歳以上の幼児の場合

意識がある場合:「腹部突き上げ法」を行います。
意識がない場合:心肺蘇生(CPR)を行いながら119番通報し、救急車を呼びます。

出典:公益社団法人日本小児科学会「No.054 心電図用ディスポーザブル電極の誤飲.pdf

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