【No.44】助手席のチャイルドシートに座っていた乳児がエアバッグで重症!対策方法は?

手術や事故の様子などショッキングな表現や画像が含まれる場合があります。

助手席のチャイルドシートに座っていた0歳2ヶ月の男の子が、エアバッグの起動により頭を強打する事故が発生しました。
男の子はドクターヘリで搬送され命に別状はありませんでしたが、その後は外傷性てんかんの発症の可能性もあり経過観察中となりました。

助手席のチャイルドシートの危険性については様々な指摘があり、チャイルドシートの利用には注意が必要です。

本記事では、事故の原因や未然に防ぐための対策方法を日本小児科学会が公開した情報を元に紹介します。同様の事故が起きないように対策を学んでください。

事故発生の原因

2013年3月8日の午前11時ごろ、祖母は助手席に設置されたチャイルドシートに男の子(0歳2ヶ月)を乗せ、兄(4 歳)と姉(1 歳)を保育園に送迎中でした。

運転中、停車中の前の車に追突してしまいエアバッグが作動しました。
チャイルドシートは助手席の背もたれ方向に飛ばされ、男の子は右側頭部を強打しました。

だんだんと男の子の顔色が悪くなり、右側頭部の腫れも大きくなってきました。意識障害と瞳孔不同もありました。
救急を要請し、気管挿管されながらドクターヘリにて病院へ搬送されました。

なお、この事故で他の同乗者の怪我はありませんでした。

病院の治療・手術

搬送後の頭部CT検査では、右側頭骨骨折脳室内出血外傷性くも膜下出血の所見が認められました。治療として、呼吸・循環管理を行いました。

4月5日の頭部CT検査では、右脳脱の所見を認めました。
4月9日、脱出脳の整復、硬膜・頭蓋形成術を行いました。約3分間持続する全身性間代性けいれんを認め、CBZ(抗てんかん薬)の内服を開始しました。

その後、けいれんは落ち着き、その他の明らかな神経学的異常は認めず、口からの食事摂取も可能になりました。合計入院日数は22日でした。
しかし、今後も外傷性てんかんの発症の可能性があり、外来にて経過観察中となりました。

なお、この事故の直接医療費は3,504,570円だったとのことです。

予防と対策方法

日本では、2000年4月から6歳未満の子どもを自動車に乗せる場合にはチャイルドシートの使用が義務付けられています。助手席にチャイルドシートを装着した場合の危険性については様々な指摘がありますが、現状では法律違反には該当しません

エアバッグは衝突後、運転席では40~50ms(ミリ秒)、助手席では 50~60msでふくらみが完了し、乗員の運動エネルギーを吸収します。展開力は約1トンとされており、助手席にチャイルドシートを設置していた場合(進行方向に対して後ろ向きになるように装着した状態)、チャイルドシートの背もたれ面が強い衝撃を受けて後方に跳ね飛ばされ、座っている乳幼児に大きな傷害がもたらされることはよく知られており、死亡例も報告されています

今回の事故は停車中の車への衝突であり、同乗者には外傷がなく事故自体のエネルギーは高くなかったと思われます。しかし、エアバッグの力も相まって大きな事故となりました。

今回のような事故を防ぐためには、助手席にチャイルドシートを設置することはやめた方がいいでしょう。

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また、自動車の事故などでドアが開かなくなる場合もあるため、緊急脱出用の裁断道具やガラスを割るレスキューハンマーなどを自動車内に準備しておくことをおすすめします。

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出典:公益社団法人日本小児科学会「No.044 不適切に設置されたチャイルドシートによる頭部外傷

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