ストロー付きコップが口の中に刺さり、2歳の男の子が怪我をする事故が発生しました。
最終的に男の子は縫合手術をし、ICUでの入院から3日後に無事退院しました。
ストロー付きコップは便利な商品ですが、転びやすい小さな子どもにとっては危険な商品になることもあります。
本記事では、事故の原因や未然に防ぐための対策方法を日本小児科学会が公開した情報を元に紹介します。同様の事故が起きないように対策を学んでください。
目次
事故発生の原因
2013年1月5日の午前9時30分ごろ、男の子(2歳7ヶ月)はリビングのこたつで、テーブル上にあるストロー付きコップを使ってカルピスを飲んでいました。
その後、母親が目を離した際に通常とは異なる激しい泣き声が聞こえてきました。
姉が男の子の側にいて「これ(ストロー付きコップ)をもって歩いてて転んだ」と話しました。男の子は口の中から出血をしていました。
母親はすぐに男の子の口の中を確認しましたが、大丈夫だと判断しました。
しかし、吐き出す唾液がしばらく経っても血を含んでいたため、懐中電灯で再度口の中を確認したところストローが刺さった粘膜がそげてぶら下がっているのを見つけました。
母親は自家用車で病院の救急を受診しました。
病院の治療・手術
病院での受診時、男の子の意識は清明でバイタルサインに問題はありませんでした。
口腔内ではストローの刺さった組織が1cm程垂れ下がっていました。
手術室で全身麻酔下にて止血し、口の中を縫合を施行しました。
その後、ICUへ入院して3日後に退院しました。
予防と対策方法
今回の事故は、男の子がストロー付きコップのストローを口にくわえたまま歩いていて転び、PET樹脂製の長くて硬いストローの先端が刺さったことが原因だと推測されます。
長くて硬いストローはコップの底にほぼ固定されている状態のため、転んだ際にはストローの先端に大きな力がかかり、口の中に大きな怪我を負う危険性が高いです。
事故の原因となったストロー付きコップは、対象年齢6歳以上のものでした。
注意書きには「破損した際には小さな部品や尖った部位が発生します。破片でケガをしたり、小さなお子様の誤飲による窒息にはご注意ください。」「小さなお子様のご使用の際には、必ず保護者の目の届くところでご使用ください。」と書かれていました。
ストロー付きコップは便利な製品ではありますが、小さな子どもは使わないようにしましょう。
また、転んでも力がストローに加わりにくい、柔らかい素材でできた曲がるストローがおすすめです。
出典:公益社団法人日本小児科学会「No.039 ストロー付きコップによる口腔内外傷」