【No.36】首にカーテン紐が掛かり1歳の子どもが窒息する事故!対策方法は?

手術や事故の様子などショッキングな表現や画像が含まれる場合があります。

カーテンを留める紐が1歳1ヶ月の子どもの首に引っ掛かり、窒息する事故が発生しました。
最終的に男の子は無事に退院しましたが、ドクターヘリも要請した事故となりました。

カーテンの紐に起因する事故は起き続けており、小さなお子さんのいるご家庭では注意が必要です。

本記事では、事故の原因や未然に防ぐための対策方法を日本小児科学会が公開した情報を元に紹介します。同様の事故が起きないように対策を学んでください。

事故発生の原因

2012年7月9日の午前8時8分頃ごろ、母親が居間に不在だった数分間に男の子(1歳1ヶ月)がカーテンを留める紐に首を引っ掛け、首吊り状態になりました。

男の子の足は床についていましたが、母親が助けた直後には呼吸がありませんでした。
8時13分ごろ、救急隊が到着しました。男の子は自発呼吸はありましたが、意識状態はJapan Coma ScaleでIII-300であったため、ドクターヘリを要請しました。

Japan Coma Scale(ジャパン・コーマ・スケール/JCS)とは、日本で主に使用される意識障害の意識レベルの深度分類です。Iの0,1,2,3,4と4段階、IIの10,20,30の3段階、IIIの100,200,300の3段階で分類されます。I-1が意識清明の状態で、III-300は痛みや刺激に全く反応しない最もひどい状態となります。

病院の治療・手術

8時43分、病院の医師が男の子を診察しました。
男の子の目はうつろで、顔面の広範囲に溢血点(毛細血管の破綻によって生じるアズキ大以下の小出血)を認めました。小児集中治療室で脳低体温療法を開始しました。

7月13日、復温を終了しました。
7月18日、人工呼吸管理を離脱しました。
7月20日、一般病棟へ転棟しました。座ることはできましたが、つかまり立ちはできない状態でした。
7月23日、経管栄養の状態で転院となりました。この頃にはつかまり立ちができるようになりました。
7月24日、経口摂取を開始し、7月30日には独歩が可能となり、8月9日に自宅に退院となりました。

なお、直接医療費は約250万円だったとのことです。

類似傷害・事故

男の子(1歳10ヶ月)がベッドの近くにあるロールカーテンの紐で首を吊る事故も起きています。

2020年の午前7時40分ごろ、男の子と兄が寝室に向かうのを母親は見て、寝室からは2人の声が聞こえました。7時56分ごろ、急に声が聞こえなくなったため、父親が寝室に見に行くと、ロールカーテンの紐で首を吊った状態の男の子を発見します。

男の子は顔面蒼白でぐったりしており、救急車で病院へ搬送されました。男の子は医療処置のため2日間入院しました。退院1週間後の診察では心身に後遺症はありませんでした。

予防と対策方法

日本では2013年10月、東京都商品等安全対策協議会においてブラインド等のひもの安全対策が検討され、2014年2月に報告書が公表されました。それまでに報告された事故は7件あり、このうち3件は今回の類似事故でした。
東京都の報告書を受け、経済産業省では2014年度にブラインド等のひもの安全基準を検討する委員会を設置し、JIS化に向けた検討が行われることになりました。

実際に今回の件に関しては「カーテンの留め紐に首を挟まれないよう注意しましょう」と指摘するだけでは予防できません。そのため、カーテン自体の改善が必要です。

アメリカ合衆国でも同様の事故があり、The US Consumer Product Safety Commission;CPSC(米国消費者製品安全委員会)は、2009年に窓のブラインド類についている紐を原因とする縊頸による幼児の死亡例が2006年以降に5件あり、リコールを呼びかけました。IKEAはこのリコールを受け、330万個以上のブラインドを自主的にリコールしました。
また、カーテンやブラインドに関係する製造会社や輸入会社が協力して立ち上げているWindow Covering Safety Councilでは、10月を安全強化月間として全国規模でのキャンペーンを行っており、CPSCもブラインドやカーテンの紐による縊頸予防に関するポスターを作製しています。

ブラインドやカーテンの紐による縊頸予防に関するポスター

しかし、これらの活動をもってしてもカーテンやブラインドの紐が原因となる事故は無くなっていません。カーテンやブラインドには、乳幼児の頚が引っかからない構造、また引っかかったとしてもすぐに解除できるデザインが求められています。
また、カーテンの留め紐の下端は床から1m以上の高さになるように設置することや、乳幼児の体重がかかった時にループが外れない製品は子どもの生活環境から排除することが求められています。

市販では、マグネット式のカーテン紐が販売されています。これなら首を絞めることはありませんので、安全対策としておすすめです。

出典:公益社団法人日本小児科学会「No.036 カーテンの留め紐による縊頸

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