【No.31】パーカーのフードで子どもの首が絞まる事故発生!対策方法は?

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手術や事故の様子などショッキングな表現や画像が含まれる場合があります。

パーカーのフードがドアノブに引っかかり、女の子(4歳)の首が絞めつけられる事故が発生しました。
事故の原因となったパーカやドアノブは、一般的に使用されているメジャーな形状のものです。

最終的に女の子は無事でしたが、パーカーのフードが原因で死亡する事故も起きています。

本記事では、事故の原因や未然に防ぐための対策方法を日本小児科学会が公開した情報を元に紹介します。同様の事故が起きないように対策を学んでください。

事故発生の原因

2012年3月11日、自宅の居間で女の子(4歳)は父親と兄(7歳)とピアノを弾いていました。母親は台所におり、午後1時30分ごろに女の子が外出した気配を感じました。

午後1時40分ごろ、母親は女の子の所在が気になり玄関に行きました。母親は玄関で、パーカーのフードをドアノブに引っかけ、苦しそうにしている女の子を見つけました。

母親は慌てて女の子のパーカーを脱がせました。女の子は咳をし、口唇の色は黒い状態でした。

午後1時45分ごろ、女の子の様子が落ちついたため、母親は病院を探しました。しかし、近隣で受け入れ可能な病院がなく、1時間後の受診となりました。

病院の治療・手術

来院時、バイタルサインに異常はありませんでした。
しかし、眼周囲にはうっ血斑、頸部前方には線状の皮下出血がありました。

遅発性の障害を監視する目的で、女の子は生体情報モニターによる管理下で入院となりました。
特に状態の悪化をなく、翌日には退院しました。

その後、女の子は外来を再受診しましたが、異常はありませんでした。

予防と対策方法

米国消費者製品安全委員会によると、過去10年間にパーカーのフードが原因の死亡事故が17件、負傷事故が42件報告されています。

また、日本では2006年に東京都が調査を行い、子ども用衣類の安全確保に関する報告書が発表されました。それによると、子ども用衣類が関係した事故(危害、危険、ひやり・ハッと)を経験した人は全体の77%を占めており、そのうち6人に1人の割合で怪我をした経験をしていたことが明らかになりました。

東京都の報告書には「上着のフードは、遊び場の遊具やドアノブなどに引っかかり絞首等の危険があるため、引っ張り力が小さくても取り外せるフードなど、危険性を考慮した設計をすること」と明記されています。しかし、依然としてパーカーのフードによる事故は起きており、子ども用のフード付きパーカーは製品としての欠陥があると言えます。

そのため、小さな子どもはフード付きパーカーの着用をやめるべきです。実際、フード付きの洋服を着て登園することを禁じている保育園などもあります。

お子さんの洋服を選ぶ時は、フードやヒモが首を絞める可能性があることを念頭に置いて選びましょう。

出典:公益社団法人日本小児科学会「No.031 フード付きパーカーによる縊頸

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