【No.22】2歳の子どもが自動車のシートベルトで窒息!対策方法は?

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手術や事故の様子などショッキングな表現や画像が含まれる場合があります。

自動車のシートベルトが女の子(2歳)の首に巻きつき、窒息する事故が発生しました。
女の子と兄は車の後部座席で遊んでおり、兄が女の子の首にシートベルトを巻きつけてしまいました。

最終的に女の子は無事に退院しましたが、今回のような事故は過去にも数件起きています。

本記事では、事故の原因や未然に防ぐための対策方法を日本小児科学会が公開した情報を元に紹介します。同様の事故が起きないように対策を学んでください。

事故発生の原因

2008年11月29日の午後1時00分ごろ、後部座席に女の子(2歳)と兄(5歳)が座り、母親は車を運転していました。
女の子と兄はシートベルトを使って遊んでおり、急に兄が「首が!」という声を発し、母親は振り返ります。女の子の首にはシートベルトがきつくからまっており、窒息状態でした。

母親はすぐに停車し、ベルトをはずそうとしますが逆にしまっていくため、近くの店でハサミを借りてベルトを切ってはずしました。
その後、女の子はすぐに病院へ搬送されました。

後部座席のシートベルトにはチャイルドシート固定のためのロック機構が付いており、シートベルトを最後まで引き出すとロックされ、巻き込みの方向のみにしか動かなくなり緩まなくなるようになっています。

病院の治療・手術

病院到着時、女の子(2歳)の顔面は鬱血うっけつし、全身強直の状態で意識障害がありました。
窒息による低酸素性脳症と考え、輸液、グリセオール、ミダゾラムにて加療されました。次第に意識レベルは回復し、9日後には事故以前の状態に回復し、退院しました。

予防と対策方法

国民生活センターの報告によると、1999年以降に今回と同じような事故が7件起きており、うちの1件では4歳の子どもが死亡しています。

今回の事故の問題は、まず乗車中にチャイルドシートを使用していなかったことです。チャイルドシートを使用していれば、このような事故は起きませんでした。
日本では、2000年4月から6歳未満の子どもを自動車に乗せる場合にはチャイルドシートの使用が義務付けられています。

子どもの車内事故に関する1,389件の事故データによると、以下のような事故内容となっています。

  • ドアに手や足を挟んだ(594件)
  • 急ブレーキ時に頭や体を強打した(391件)
  • パワーウインドウに手・足・首を挟んだ(136件)
  • ドアが開いた又は子どもがドアを開けて車外へ転落した(25 件)
  • シガーライターをいたずらしてやけどした(11件) etc

これら事故はチャイルドシートを使用していれば予防できます

シートベルトを最後まで引き出すとロックされ、巻き込み方向にのみ動いて緩まなくなる自動ロック式巻き取り装置(ALR)は、手持ちのチャイルドシートを簡単・確実に取り付けるために便利な機構です。この機構が悪い方へ働くと、今回のように子どもの体や首に巻きついて締めることになります。

この注意事項に関しては、全ての国産車の取り扱い説明書に記載されており、業界団体である日本自動車工業会や日本自動車連盟は啓発活動を行っています。しかし、一般消費者に周知されているとは言いがたい現状があります。

6歳以下の子どもを車内に乗せる場合は、必ずチャイルドシートを使用してください。

また、自動車の事故や水没時に緊急脱出するため、ハサミなどの裁断道具やガラスを割るレスキューハンマーなどを自動車内に準備しておくことをおすすめします。

出典:公益社団法人日本小児科学会「No.022 ロック機構付きシートベルトによる窒息

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