6歳の男の子が子ども用バイクに乗ってブロック塀に衝突する事故が発生しました。
最終的に男の子は無事でしたが、2週間以上も入院することになった大事故でした。
子ども用バイクの事故は海外でも年々増加しており、乗車には注意が必要です。
本記事では、事故の原因や未然に防ぐための対策方法を日本小児科学会が公開した情報を元に紹介します。同様の事故が起きないように対策を学んでください。
目次
事故発生の原因
2012年10月23日午後6時ごろ、男の子(6歳)が50ccの子ども用バイクに乗りブロック塀に衝突しました。
このオートバイは父親が男の子のために購入し、この日は初めて乗車する日でした。男の子はヘルメットを装着しておらず父親は目を離していました。
男の子は衝突の反動で頭から前方に飛び出しブロック塀に強打しました。右眼まぶたが腫れ上がり、青黒い内出血が見られました。また、吐き気や嘔吐もありました。
それからすぐに男の子は病院へ搬送されました。
病院の治療・手術
男の子に意識障害はありませんでしたが、複数箇所の骨折が確認され、また頭蓋内出血の増大が予測されたため入院となりました。
その後幸いにも回復し、明らかな知的障害やけいれん、意識障害、性格変化や麻痺などの神経学的異常はありませんでした。
事故から17日目には全身の状態が改善し、退院となりました。
なお、直接医療費は971,970円だったとのことです。
予防と対策方法
2012年10月のアメリカ小児科学会(New Orleans)のデータによると、過去10年間に ATV(All Terrain Vehicle:全地形対応車)による死傷者は4倍に増加しており、毎年800人以上が死亡、13万人が救急センターを受診しているとのことです。
今回の事故は、男の子が新しく届いた自分専用のオートバイに好奇心を抑えることができず事故へと至りました。このような初めての機会には、事故が発生しやすいことを知っておく必要があります。
事故の原因となったオートバイの使用説明書には、車に乗る前には取扱説明書をよく読むこと、適切なトレーニングまたは教育を受けることが明記されています。また、この車両はオフロード専用であり、国土交通省の認定を受けていないため一般の道路などを走行できない旨が警告として明記されていました。
事故の原因となったオートバイは、どこでも誰でもすぐに購入できる製品ではありません。そのためメーカーは、製品購入者に対して事故の発生の有無の調査をするべきでしょう。また、購入者には講習会の受講を義務付ける必要があるといえます。自転車に乗る時のヘルメット着用など、事故予防に必須である防具の必要性についても保護者と子どもに教育する必要があります。
今回の事故はオートバイでしたが、子どもの自転車の事故にも注意が必要です。自転車においても、乗車中の頭部外傷を予防するヘルメットの着用は有効です。
出典:公益社団法人日本小児科学会「No.037 小児用オフロード専用バイクによる頭部外傷」