【No.33】8歳の子どもがジェット風船の吹き口を誤飲!対策方法は?

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手術や事故の様子などショッキングな表現や画像が含まれる場合があります。

男の子(8歳)がジェット風船の吹き口を誤飲する事故が発生しました。
ジェット風船は屋外で開催されたイベントで配られたものでした。

誤飲の事故は乳幼児によく起きますが、小学生の児童でも発生します。誤飲は窒息の可能性もあり、その際の対処方法は覚えておく必要があります。

本記事では、事故の原因や未然に防ぐための対策方法を日本小児科学会が公開した情報を元に紹介します。同様の事故が起きないように対策を学んでください。

事故発生の原因

2012年4月8日の午後0時15分ごろ、男の子(8歳)は屋外で開催されたイベント会場にて、配られたジェット風船を膨らませて遊んでいました。
口にくわえて膨らましている時に吹き口の部品が外れてしまい、吸い込んだ拍子に誤飲しました。

胸部に不快感があり、救急搬送されました。

誤飲したジェット風船の吹き口

病院の治療・手術

来院時、軽度の喘鳴がみられました。
異物がプラスチックであるため単純X線写真には写らず、胸部単純CT写真で胸部の食道上部に異物を確認しました。

非鎮静下にて、バルーンカテーテルによる摘出術を実施し成功しました。

翌日、外来での経過観察をし経過は良好でした。

予防と対策方法

ジェット風船は、1970年代から駄菓子屋やお祭りなどで子ども向けに販売されてきました。1985年頃には、プロ野球の観戦時に応援として使用されてきました。近年では、ゴミ飛散防止、飛沫感染の危険性、天井に風船が引っかかるなどの理由から、使用を禁止または制限されています。

今回の事故の対策として、「風船遊びをするときは注意しましょう」と指摘するだけでは予防できません。乳幼児は常に誤飲の事故と隣り合わせであり、学童でも誤飲の事故は発生します。
しかし、飛沫感染の危険性のある昨今においては、風船を膨らませる際は空気入れを使用するのが安全です。

今回の事故の原因であるプラスチックの直径は18mmで、真ん中に約8mmの穴が開いていました。この大きさは乳幼児が誤飲する可能性が高くはありますが、真ん中に穴が開いており、誤飲しても窒息する可能性はほとんどないと思われます。
しかし、メーカーはプラスチックのパーツがジェット風船から外れにくくなる構造を検討する必要があると言えます。

また、もし子どもが誤飲をしてしまい、窒息の可能性がある場合は以下の処置をしましょう。

窒息の対処方法
出典:窒息 | こどもの救急
1歳未満の乳児の場合

意識がある場合:「胸部突き上げ法」と「背部叩打法」を数回ずつ交互に行います。
意識がない場合:心肺蘇生(CPR)を行いながら119番通報し、救急車を呼びます。

1歳以上の幼児の場合

意識がある場合:「腹部突き上げ法」を行います。
意識がない場合:心肺蘇生(CPR)を行いながら119番通報し、救急車を呼びます。

出典:公益社団法人日本小児科学会「No.033 ジェット風船のパーツの誤飲による食道異物

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