男の子(1歳6ヶ月)が、温泉卵の製造器で火傷を負う事故が発生しました。
母親が調理中の台所に入り、稼働中の温泉卵の製造器を倒して熱湯を浴びてしまいました。
男の子は2週間にわたって外来で処置し、無事に終了しました。
子どもの火傷は1歳〜1歳6ヶ月によく起こる事故のため注意が必要です。
本記事では、事故の原因や未然に防ぐための対策方法を日本小児科学会が公開した情報を元に紹介します。同様の事故が起きないように対策を学んでください。
目次
事故発生の原因
8月31日の18時50分ごろ、男の子(1歳6ヶ月)の母親は夕飯の準備をしていました。
母親は夕飯の準備として、台所のダイニングテーブルで温泉卵の製造器を使って温泉卵を作っていました。
男の子はキッチンに入り、椅子にのぼって手を伸ばしたところ温泉卵の製造器を倒してしまいました。温泉卵の製造器のフタと本体の隙間から湯があふれ出て、こぼれてきた湯で前胸部に火傷(ヤケド)を負いました。
温泉卵の製造器は、沸かした熱湯を容器に入れて10分くらい経過したところでした。
家族は着衣のままの男の子にシャワーを当てて冷却し、救急車を呼びました。
温泉卵の製造器は断熱素材が入っており、アイスペールとしても使用できるものでした。
病院の治療・手術
来院時、前胸部は熱傷(II度)で水疱がありました。
外来で2週間にわたって処置し、男の子(1歳6ヶ月)の通院は無事に終了しました。
予防と対策方法
日本小児科学会によると、火傷(やけど)の好発年齢は1歳0ヶ月〜1歳6ヶ月によく発生する事故です。
奇しくも今回の事故も子どもの年齢が1歳6ヶ月であり、この年頃の子どもをもつご家庭では細心の注意が必要です。
火傷は痛みが強いだけでなく、火傷痕など外見状の後遺症を残すこともあり子どもにとって辛い事故のひとつです。
保護者が十分に気を配り、事故を未然に防ぐ必要があります。
家庭内では、以下のことに気を付けてください。
ベビーゲートを設置して、子どもが台所に入れないようにするのもおすすめです。
また、もし子どもが火傷を負ってしまったら、以下のことに気を付けてください。
- よく冷やしてあげることが最も大切です。痛みがなくなるまで冷やしましょう。
- 熱傷部分にさわらないようにしましょう。
- アロエを塗るなどの民間療法は止めましょう。
- 市販されている冷却用シートは、熱傷には使えません。
- 熱湯などをかぶった場合には、服の上からシャワーなどの流水で冷やしましょう。
特に、服を脱がさずにシャワーなどの流水をかけることが重要です。慌てて服を脱がしてしまうと、ただれた皮膚が剥がれて重症化してしまうことがあるため注意が必要です。
そして、もし火傷の影響で水疱ができたり皮がむける部分が広範囲におよぶ場合は、すぐに救急車を呼んで医療機関を受診してください。
また、爆発などによる火傷や化学薬品による火傷の場合も、すぐに救急車を呼んで医療機関を受診してください。
出典:公益社団法人日本小児科学会「No.016 温泉卵製造器による前胸部熱傷」