0歳(生後11ヶ月)の男の子が、ベビーベッドから転落する事故が発生しました。
男の子はベビーベッドの柵の外をのぞき込み、転落したものと思われます。
幸い打撲だけで済みましたが、乳幼児は50cm未満の高さを覗き込むと頭の重さで転落する危険性があります。
本記事では、事故の原因や未然に防ぐための対策方法を日本小児科学会が公開した情報を元に紹介します。同様の事故が起きないように対策を学んでください。
目次
事故発生の原因
午前9時15分頃、自宅の和室にあるベビーベッド(乳児用ベッド)で寝ていた0歳の男の子(生後11ヶ月)が、ベビーベッドから落ちる事故が起きました。
事故が起きる直前、男の子はベビーベッドで寝ていたため、母親は台所で洗い物をしていました。
急に泣き声がしてベビーベッドへ行くと、ベッドの中にいたはずの男の子は畳の上で泣いていました。ベビーベッドの柵は外れておらず、ベッドの外を覗き込んで転落したと思われます。
男の子は身長は73cm、体重は9kg、発達段階は伝い歩きができる状態で、抱っこするとよく上に登ろうとしていました。
ベビーベッドは、畳面から柵の上部まで85cmの高さがあり、柵の隙間は7.8cmでした。ベビーベッド内の布団から足がかりとなる横桟までの高さは11.5cm、足がかりから柵上部までの高さは35cmでした。
病院の治療・手術
心配になった母親は、12時頃に病院を受診します(事故から約3時間後)。
0歳の男の子(生後11ヶ月)には、左のおでこに打撲とみられる内出血斑がありました。
意識状態は正常で、手足の動きや口腔内に異常はなく、経過観察となってすぐに軽快しました。
予防と対策方法
母親が家事をしている間、乳幼児の安全を確保する目的でベビーベッドを使用するケースは非常に多いです。
しかし日本小児科学会によると、乳幼児の体躯によっては50cm未満の高さから覗き込めば頭が重いため転落するとのことです。
そのため、ベビーベッドの足がかかる位置から50cm以上の高さを確保し、お子さんが転落しないように事前に対策する必要があります。
今回の事故では、柵の横棒をベッドの平面と同じ高さか平面以下に設置して、柵の上部までの距離を 50cm以上確保すれば大丈夫です。
また、通常のベッドでベビーフェンスを使用する方法もおすすめです。ベビーフェンスは様々な大きさのベッドに対応しており、ベッド内に高さを設けることができます。
出典:公益社団法人日本小児科学会「No.007 乳幼児用ベットからの転落による頭部外傷」