【幼児教育まとめ】「基本の五育」と「新しい教育」をわかりやすく解説

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【幼児教育まとめ】「基本の五育」と「新しい教育」をわかりやすく解説

幼児教育が大切だとわかっていても、知育や食育、体育や徳育など種類が多くて何から手をつけたら良いかわからない方も多いと思います。

この記事では、幼児教育の基礎となる「基本の五育」と「新しい教育」についてわかりやすくまとめました。

まずは幼児教育の全体像を把握し、実践的な参考書籍などできることからはじめてみてください。

幼児教育の基本「五育(ごいく)」

日本では、明治時代に福沢諭吉の著書『学問のすゝめ』で、知育・徳育・体育の「三育(さんいく)が教育の基本として紹介されたことで全国に広がるようになったと言われています。
また、同じ明治時代の医師・薬剤師であった石塚左玄も、著書において「体育・智育・才育は即ち食育なり」と述べています。

三育は、イギリスの学者であるハーバート・スペンサー著書『教育論』(1861年)で提唱されたのが始まりです。

そして近年では、幼児期の基本的なしつけや教育を「五育(ごいく)と呼ぶようになりました。

  • 食育(しょくいく)
  • 知育(ちいく)
  • 徳育(とくいく)
  • 体育(たいいく)
  • 才育(さいいく)

これらについて順に解説していきますが、最も大切なのは「食育(しょくいく)」です。
健康的で十分な食事が摂れなければ、脳や体をしっかりと働かせることができないためです。
しっかり食事を摂ることを心がけましょう!

食育(しょくいく)

食育(しょくいく)とは、食べるだけでなく知識・体験を通して適切な食を選ぶ力を習得し、健全な食生活を実践できる人間に育つための教育です。

2005年に制定された食事基本法では、「生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの」と位置付けられています。
つまり、十分な栄養や食事が摂れなければ、知育・徳育・体育などすべてに悪影響を及ぼす可能性があるということです。

子どもの頃から好き嫌いせずに何でも美味しく食べられるような工夫が大切です。絵本を活用した食育も効果的です。

知育(ちいく)

知育(ちいく)とは、知識の習得により知能を高めることを目的とする教育です。

主に、思考力・考察力・判断力といった知能や知力を伸ばします。
IT化が進む現代においては、膨大な情報の中から正しい情報を判断する力や、情報処理能力を身につける上でも重要です。

知育活動では、子どもの「やってみたい」という意欲を大切にし、課題に対して試行錯誤を重ね、最終的に「できた」という達成感や小さな成功体験を得ることを重視します。

意欲 → 試行錯誤 → 達成感・成功体験

ちなみに、欧米を中心に世界で実践されているモンテッソーリ教育では、0〜3歳までが最も吸収力の高い時期と言われています。また、その後の3〜6歳も重要な時期です。

モンテッソーリ教育は、医学的・科学的な発達モデルに基づく「子どもが成人するまで役立つ教育方法」です。一度しっかり学んでおくことをオススメします。

徳育(とくいく)

徳育(とくいく)とは、人間としての心情や道徳的な意識を育む教育です。

幼児期では実践的な性格形成に重点を置いているため、知識で習得する道徳教育とは少し異なります人と人が協力し合い、社会を築き上げていくという普遍的な活動を自然とできるようになるためにも徳育は不可欠です。

徳育は、「社会(その国、その時代)が理想とする人間像を目指して行われる人格形成」の営みであり、幅広い知識と教養、豊かな情操と道徳心、健やかな身体をはぐくむという、知・徳・体の調和ある人格の完成を目指す教育の根幹を担うものであると言える。

徳育の意義・普遍性 – 文部科学省

体育(たいいく)

体育(たいいく)とは、身体に関する教育です。年齢に応じて、保健の分野・科目に関する教育(性教育・健康・環境・福祉・家族)も行います。
身体教育や保健体育とも呼ばれ、スポーツとは区別される言葉です。

幼児体育においては、幼児期に適切な運動をすることで丈夫でバランスの取れた身体を育むことに繋がります。
体力・運動能力の向上意欲的な心の育成生活習慣病になりにくい健康的な身体と習慣社会適応力や認知能力の向上など様々な効果があります。

才育(さいいく)

才育(さいいく)とは、1人1人の個性や才能を見つけ、育む教育です。子どもが100人いれば、100通りの個性があります。

天才的な知能指数(IQ)の高い子どもに限ったものではなく、感性や感覚の違いだけでも無限の可能性があります。

最近話題のSTEAM(スチーム)教育では、科学・技術・工学・芸術・数学など様々な領域に触れることができます。
子どもの才能や個性を見出すきっかけとしてオススメです。

[参考]https://ja.wikipedia.org/wiki/五育

新しい教育(2000年〜)

2000年代に入ってから新しくできた教育概念もあります。時代や環境にあわせて教育もアップデートされています。

木育(もくいく)

木育(もくいく)とは、2004年に北海道で生まれた新しい教育概念です。
幼少期から木や森林と触れ合い親しみを感じることで、「人と、森や木」との関わりについて主体的に考えられる豊かな心を育てたいという想いがあります。

「子どもをはじめとするすべての人びとが、木とふれあい、木に学び、木と生きる。」

木材や森林との関わり合いから「知育・徳育・体育」の3つの側面を効果的に育む取り組みができます。

詳細はこちらの関連記事をご覧ください。全国で木育ができる「おもちゃ美術館」も紹介しています。

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