8/17追記:兵庫県明石市の市長が、受賞にあたって「80万円を要求された」としてSNSで炎上しています。
2022年7月21日(木)、「第3回 日本子育て支援大賞」の受賞商品が発表され、企業部門では24個の商品と9個のサービス・プロジェクト、自治体部門では4つの地方自治体が大賞を受賞しました。
この記事では、受賞した4つの地方自治体の子育て支援環境について詳しく解説します。
目次
日本子育て支援大賞とは?
日本子育て支援大賞とは、子育てママとパパさらにはその祖父母が実際に“役立った価値”を大いに評価する賞です。一般社団法人「日本子育て支援協会」が主催しています。
このアワードを通して、今後も子育てに良い商品、サービスがたくさん生まれてくることを支援しています。
応募から選考までの流れや、審査委員会、その他の詳細についてはこちらのリンクからご確認ください。
日本子育て支援大賞 | 一般社団法人 日本子育て支援協会
茨城県境町(さかいまち)
境町は、子育て支援日本一を目指し、子どもたちの未来のために最大限の投資をしている地方自治体です。
都心へのアクセスも早く、東京駅へは高速バスを利用して最短90分でアクセスできます。
自動車では高速道路を利用して、東京駅や成田空港へ約1時間で行けます。
境町の「子育て支援」
境町の子育て支援では、妊娠〜出産、出産後のクーポンや祝い品プレゼントなど支援が手厚いのが特徴です。3〜5歳の保育園は無料で、給食費もかかりません。
また、第2子以降では0〜2歳の保育料が無料になったり、第3子以降の出産では50万円の助成金がもらえるのも嬉しいポイントです。
医療費は所得制限なしで中学3年生まで無料です。高校生〜20歳までの学生は医療費が補助されます。
境町の「教育環境」
境町市の公設保育園や全小中学校で、教育や学習環境が充実しています。
英語教育ではフィリピン人講師を複数人常駐しており、休み時間や給食中もネイティブ英語を自然と話すことができます。教室は100%エアコン完備で、安心して学習に集中することでがきます。
また、1日英語漬けのサマーキャンプや、プログラミング体験キャンプなど心身ともに成長できる教育環境も充実しています。
境町の「住環境」
移住したい町ランキングなどで上位にランクインする境町では、住宅支援や起業サポートも充実しています。
3LDKの新築マンションに家賃52,000円で住めたり、4LDKの新築戸建住宅に家賃52,000円で20年住めば貰えるサービスもあります。
また、世界最高水準のBMXパーク、人工サーフィン施設、オリンピック基準の全天候型テニスコートなど、最新の近代スポーツ施設が充実しているのも特徴です。
境町の評価ポイント
境町は「子育て支援日本一」を目指し、子どもたちの未来のために最大限の投資をしています。所得制限なく皆さんの子育てをサポートし、保育料・給食費・医療費等を補助、小中学校で先進的な英語教育を無料で実施、子育て世帯向け住宅、全天候型公園、世界大会レベルのBMXパークを建設する等、次々と新しい施策を行っています。ますます「子育てしやすいまち」「えらばれるまち」となるよう今後も努めてまいります。
引用:http://www.jcfs-ac.jp/grandprize/prize.html
家庭環境に左右されず、町内の小中学校や公営保育所で無料で英語教育が受けられます。朝や休み時間を利用して、毎日45分英語に慣れ親しむ時間を設定し、教育効果も上昇。パパやママが子どもを遊ばせながら安心して仕事ができる、屋内型キッズランドを併設したコワーキングスペースも評価できます。
引用:http://www.jcfs-ac.jp/grandprize/prize.html
自治体HP:子育て | 境町公式ホームページ
岡山県奈義町(なぎちょう)
奈義町は、乳幼児・児童生徒の医療費無料化や法定外ワクチン接種補助、チャイルドホームや放課後児童クラブなど様々な子育て支援を行っています。地道な活動を続けてきた結果、令和元年に日本トップクラスの出生率2.95を記録しました。保育料の軽減や無償化を導入するなどして、子どもが3人以上の多子世帯も多い自治体です。
奈義町の子育て支援の特徴として、次の7つの独自施策を行なっています。
- 在宅育児支援手当
満7ヶ月〜満4歳(4歳になった後の最初の3月31日まで)の児童で、保育園などに入園していない児童を養育している方に、児童1人につき月額15,000円を支給します。 - 高等学校等就学支援
生徒1人に年額13,5000円を3年を限度に支給します。 - 医療費を高校生まで無料化
18歳まで、医療機関などでの自己負担分を奈義町が負担します。 - 出産祝い金交付
お子様のご誕生に際して、一律10万円を交付します。 - ワクチン接種
予防接種法に定められたワクチン無料で接種できます。- BCG(結核)、DPT-IPV(4混:百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ)、DT(2混:ジフテリア・破傷風)、MR(麻しん・風しん)、小児肺炎球菌、ヒブ、子宮頸がん、水痘、ロタ、B型肝炎
- おたふくかぜワクチン(※法定外予防接種だが全額助成)
- 不任治療助成
奈義町に1年以上住所を有した戸籍上の夫婦で、県指定の医療機関で特定不妊治療を受けた方に、費用の2分の1以内で、年20万円を限度に通年5年間助成します。 - 不育治療助成
法律上の婚姻をして1年以上の夫婦で奈義町に住所を有しており、(社)日本生殖医学会が認定した生殖医療専門医が所属する医療機関で不育治療を受けた方に、年30万円を限度に通年5年間支給します。
奈義町の「子育て支援」
奈義町でお子様の産まれると、将来の健やかな成長を願い一人につき一律10万円の出産祝金を支給します。
生後3~5ヶ月児対象の乳児健診を実施しており、内科健診のほか、保健指導・栄養指導・ブックスタート(絵本のプレゼント)も実施しています。
乳児健診後も、以下の内容で健康診査を実施しています。
■ 1歳6ヶ月:保健指導・栄養指導・内科、歯科検診・発達相談
■ 2歳6ヶ月:保健指導・歯科検診・発達相談
■ 3歳6ヶ月:保健指導・栄養指導・内科、歯科検診・発達相談
虫歯予防のため、就学前までの乳幼児を対象に毎月無料で予防効果のあるフッ素塗布を実施しています。
チャイルドシート・ベビーベッドの貸し出しもしており、各種月額100円で利用できます。(チャイルドシート、ジュニアシート、ベビーカー、ベビーベッド)
その他の子育て支援や、教育、住居環境については奈義町のホームページにてご確認いただけます。
参考:みらいを、掘り起こせ 奈義町
奈義町の評価ポイント
地域や国が生き残るためには、人口維持、そして出生数(出生率)の維持は必要です。岡山県奈義町はそのひとつのモデルとして、引き続き“子育て”に注力していきます。行政の支援はもとより、これからはさまざまな企業様とも意見交換をさせていただき、ご支援を賜りたいと希望しております。ぜひ奈義町にご意見やご提案のお声がけをいただけますようお願いいたします。
引用:http://www.jcfs-ac.jp/grandprize/prize.html
地域ぐるみの子育てを目指し地道な活動を続けてきた結果、令和元年には、日本トップクラスの出生率2.95を記録。保育料の軽減や無償化を導入するなどして、子どもが3人以上の多子世帯も多い。空園舎を活用した「なぎチャイルドルーム」や「なぎテラス」での多世帯交流イベントも素晴らしい。
引用:http://www.jcfs-ac.jp/grandprize/prize.html
自治体HP:子育て・教育・文化 | 奈義町公式ホームページ
東京都八王子市(はちおうじし)
八王子市は、東京都の西に位置する自然も豊かな地域です。子育てしやすいまちナンバーワンを目指し、妊娠期からの切れ目のない支援を行う「八王子版ネウボラ」の実施しています。
※ネウボラとは、フィンランド語で「アドバイスの場所」を意味します。妊娠期から就学前にかけての子ども家族を対象とする支援制度です。
八王子市では、妊娠・子育て中の皆さんへのわかりやすい情報発信を目指し、子育て応援サイトを作成しています。
八王子市 子育て応援サイト
八王子市の評価ポイント
八王子市は、子育てしやすいまちナンバーワンを目指し、妊娠期からの切れ目のない支援を行う「八王子版ネウボラ」の実施や、市内に200以上ある保育園や幼稚園などの教育・保育施設に対して専門的な指導や助言、サポートを行う「八王子市幼児教育・保育センター」の設置などに取り組んでいます。また、本市は20以上の大学などがある学園都市です。こうした高等教育機関が身近にあるという環境を生かし、大学・企業・市民との連携・協働によるまちづくりを進めています。今後も安心して子どもを生み育てられる環境づくりのため、さまざまな子育て施策を展開していきます。
引用:http://www.jcfs-ac.jp/grandprize/prize.html
20以上の大学がある学園都市という特性を生かし、大学の先生が小学生を対象に特別講座を開講するなど、高等教育機関が身近にあるという子育て環境が魅力。毎年開催される「子ども☆ミライ会議」では、子どもの意見を尊重し、ワークショップで重ねた議論を、市長や教育長に提案して行う取り組みを20年続けているのも素晴らしい。
引用:http://www.jcfs-ac.jp/grandprize/prize.html
自治体HP:子どもとその家庭 | 八王子市公式ホームページ
大阪府枚方市(ひらかたし)
枚方市は大阪府北東部に位置する人口約40万人の中核市です。国道1号などが市内を走り、大阪や京都へのアクセスの良さが魅力です。また、市内を京阪電車やJR線が走りアクセスの良さも魅力です。
枚方市では、妊娠・子育て中の皆さんへのわかりやすい情報発信を目指し、子育てわくわくサイトを作成しています。
枚方市 子育てわくわくサイト
枚方市の「子育て支援」
枚方市の子育て支援環境は、次の特色があります。
- 第2子以降の保育料が無償
子育て世帯への負担軽減のため、年齢や所得制限を撤廃した枚方市独自の第2子以降の保育料無償化を実施しています。また、中学3年生までの医療費の助成もしています。 - 救急医療機関が市内に
休日や夜間の急な発熱などの軽症患者に対応する初期救急、救急車で搬送される重症患者に対応する2次救急、生命に危険が及ぶ重篤な患者に対応する3次救急の全て医療機関が市内にそろっています。
枚方市の「教育環境」
枚方市の小中学校教育では、次の特色があります。
- ICT教育
児童・生徒に一人1台タブレット端末を配備。動画撮影機能や取り込んだ画像を使用してのグループ学習など、ICTを活用した授業を行っています。また、LTE回線により、いつでもどこでもインターネットを使うことができます。 - 小中一貫の英語教育
全中学校に外国人の英語教育指導助手を、全小学校に日本人の英語教育指導助手、または英語専科教員を配置。また、複数の小学校を巡回する専属の外国人英語教育指導助手も配置し、英会話や体験学習をさらに充実させています。 - 関西外国語大学と連携した「枚方英語村」
大学生や留学生らとゲームなどを通して英語に慣れ親しむ「枚方英語村」では海外疑似体験も。
枚方市の評価ポイント
枚方市では「子どもが笑顔で健やかに成長できるまち枚方」の実現を目指しています。その取り組みの一つとして、子育て世帯の転入促進を目的とした新婚世帯等への最大30万円の補助などを実施しており、昨年度では351世帯の子育て世帯の転入超過がありました。また、令和4年4月より大阪府初となる、紙おむつやおしり拭きが使い放題になる定額サービス「手ぶら登園」の実証実験も行いました。こういった公民連携の取り組みも積極的に活用しながら、引き続き子育て世帯が住みやすい街の実現を目指していきたいと思います。
引用:http://www.jcfs-ac.jp/grandprize/prize.html
公民連携体制に力を入れており、実効が上がっている。子ども食堂と食材寄付者をつなぐ仕組みをDX化するなど、子育てに関わる事業運営の効率化も図っている。公立保育所で紙おむつやおしり拭きが使い放題の定額サービスや手洗い教室など、企業と連携して子育て世帯をサポートしている。
引用:http://www.jcfs-ac.jp/grandprize/prize.html
自治体HP:子育てわくわくサイト | 枚方市公式ホームページ
【第3回 日本子育て支援大賞2022】企業部門
企業部門の「24個の商品」「9個のサービス・プロジェクト」については、次の関連記事をご覧ください。